「鉄道建設50年の歩み(日本鉄道建設公団発足より50年」
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齋藤 浩司:独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 副理事長 鉄道建設本部長
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の鉄道建設本部の前身である日本鉄道建設公団が1964(昭和39)年3月23日に設立されてから
ちょうど50年という節目を迎えた
設立当初の日本鉄道建設公団法第1条には「日本鉄道建設公団は、鉄道新線の建設を推進することにより、鉄道交通網の整備を図り、もって経済基盤の強化と
地域格差の是正に寄与することを目的とする」と記されていた。それまで国鉄が担当していた工事線29線、調査線2線の事業を継承して、日本の経済基盤の強化と
地域格差の是正を目的とした公団の仕事はスタートした。
当時の建設線は、地方における開発等のための鉄道(AB線)と主要幹線および大都市における鉄道(CD線)であったが、その後海峡線鉄道(E線)や新幹線鉄道(G線)、大都市
における民営鉄道(P線)、更には都市鉄道線や受託業務なども加わり着実に事業が拡大していった。この50年間に建設した鉄道は、青函トンネルの津軽海峡線や上越
新幹線、北陸新幹線など路線数にして116路線、延長は実に3,257Kmに及び、開業のなかった年は、この50年のうち5年だけであり、ほとんど毎年日本のどこかで鉄道を開通させてきた。
日本鉄道建設公団ならびに鉄道・運輸機構が過去50年間に担ってきた鉄道建設について紹介したい。
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「鉄道情報システム会社発足から現在までの歩み」
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藤井 和彰:鉄道情報システム株式会社 代表取締役社長
国鉄の民営分割に伴い発足した鉄道情報システム株式会社(JRシステム)は、マルスをはじめとする各種の情報システムを国鉄から継承し、JR各社や関連する
企業等にシステムサービス等を提供してきた。営業開始から現在に至るまで、システムの安定稼働を図りつつ、顧客各社の要望に応えるべく、各種のシステム機能増強
や新サービス・新製品の開発、また新たな事業の開発など様々な取組みを行ってきた。本稿では、これらの取組みの状況について年代を追って記し、この間のJRシステム
の歩みを紹介する。
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「交通博物館から京都鉄道博物館へ」 |
兵東 勇 :公益財団法人交通文化振興財団 専務理事
公益財団法人交通文化振興財団は、交通科学博物館(以下交博)と梅小路蒸気機関車館(機関車館)を運営していたが、交博は平成26年4月、52年の歴史に
幕を閉じた。博物館としての使命は平成28年春に京都・梅小路地区に開設する「京都鉄道博物館」に引き継ぐこととしており、現在、収蔵資料の整理、展示計画の
策定のほか、実物展示車両の移設準備や搬出作業を行っている。
本稿では、交博と機関車館の今日までのあゆみと新博物館の概要、さらに近年における博物館界における課題と取り組みについて述べる。
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[統計講座] 輸送密度から鉄道の本質が見える「第7回 乗換は嫌われるのか -東北・上越新幹線を例に-」 |
大内 雅博 :高知工科大学社会システム工学教室教授
要旨:東北新幹線および上越新幹線の開業により、それまで優等列車が直通していた上野との間に乗換えの必要性が生じた主要7線区間の平均輸送密の変化を調べた。
新幹線大宮開業前年の1981年度の各区間の平均輸送密度を基準として、1983年度、上野開業の翌年度の1985年度および1986年度への変化を明らかにした。新幹線の大宮開業
により、乗換は生じるものの、上野までの総所要時間が短縮されたにもかかわらづ、対象としたすべての区間の普通(定期外)旅客輸送の輸送密度が新幹線開業前よりも低く
なった。1985年の新幹線の上野開業により大宮での乗換が必要なくなり所要時間もさらに短縮したが、輸送密度は新幹線大宮開業直前の水準にも回復しなかったことが分かった。
その理由をダイヤ、別ルートの新設や高速道路開通の影響の観点から線区ごとに考察した。
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[速 報] 鉄道統計(平成25年度) JR・関連機関
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鉄道に関する基本数値(社別の線区数、駅数、運輸成績、社員数、損益計算書、貸借対照表等)を各種資料から集約した統計資料です。 JR各社だけでなく、大手民鉄、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の情報も一部掲載しています。
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