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交通と統計 2019年1月(通巻54号)



2019年1月28日発行
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四国新幹線の実現に向けて
  
長戸 正二ながと しょうじ:四国旅客鉄道株式会社 総合企画本部 取締役 副本部長
梅原 利之うめはら としゆき:四国旅客鉄道株式会社 顧問

 四国における新幹線計画は、全国新幹線整備法に則り1973年に基本計画線として定められましたが、まだ具体的な計画が策定されていない状況です。 このような中、2014年4月に、四国経済連合会と四国四県を中心に設置された「四国の鉄道高速化検討準備会」によって、四国の新幹線整備に関する基礎的な 調査が行われ、岡山から瀬戸大橋を経由して四国四県庁所在地を結ぶルートにおいて、費用便益比(B/C)が1を上回りました。そして、その結果を受け、整備に 向けた活動が行われています。具体的には、四国四県や経済界による精力的な要望活動が行われるとともに、2017年7月には「四国新幹線整備促進期成会」が 設立、東京では600人規模の決起大会を定期的に開催するなど、新幹線の実現に向けた機運が盛り上がっています。少子高齢化の進む四国地域を維持・発展させて いくためには、新幹線の早期開業により、新幹線を基軸とする高速交通ネットワークを構築し、更なる交流人口の拡大に努めることが不可欠と思われます。
 しかしながら、2014年に「四国の鉄道高速化検討準備会」が基礎調査結果を公表して以来、既に5年が経過しました。また、整備のための財源を考えますと、現在 の新幹線の整備計画線の全線完成後の着工となり、これから30年以上も待ち続けることになります。
 本稿では、四国新幹線の実現に向けた課題と取り組みについて紹介します。
JR西日本・近畿エリアの新駅設置の歩み 
  
中村 圭二郎 なかむら けいじろう:西日本旅客鉄道株式会社 取締役兼常務執行役員 近畿統括本部長
高見 豊 たかみ ゆたか:西日本旅客鉄道株式会社 近畿統括本部 企画課 担当課長

 私たちJR西日本グループは、2017年4月、発足から30周年を迎えました。
 この間、鉄道事業を基軸に社会インフラを担う企業グループとして、めざす未来である「安全で豊かな社会」づくりに貢献するため、「地域共生企業となる」、「私たちの使命を果たす」ことをありたい姿に掲げ、 その実現に向けて取り組んできました。
 将来を見据えると、人口減少に伴う市場の縮小や労働力の減少等、社会構造の変化という面で、当社グループを取り巻く経営環境は大変厳しい状況にあると言わざるを得ません。
 そのような中、当社グループは、2018年4月に「中期経営計画2022]を策定し、グループの共通戦略の一つとして近畿エリアの線区価値の向上を引き続き掲げております。具体的には、新線や新駅設置等鉄道ネットワークの 整備や、地域のまちづくりとあわせて駅をより魅力的な空間とすること等を通じて、鉄道を利用されるお客様や沿線で生活される皆様のニーズに応じた質の高い生活サービスや商品を提供し、当社沿線への居住や鉄道のある 暮らしを選択していただくことを目指します。
 本稿では、会社発足時から現在までの、近畿圏の新駅設置の実績と今後の展望について述べます。
TWILIGHT EXPRESS瑞風 運行開始からこれまでの歩み 
  
室 博 むろ ひろし:西日本旅客鉄道株式会社 執行役員 営業本部長

 TWILIGHT EXPRESS瑞風(みずほ)は2017年6月の運転開始から約1年半が経過しました。そして概ね3,300人を超えるお客様にご利用いただき、多くのお客様 にご満足いただいています。加えて、沿線の皆様からも暖かいご支援を頂戴し、運行いたしています。
 以下に、TWILIGHT EXPRESS瑞風にかける我々の思いと運転開始から1年半経過した今の状況をお伝えいたします。
[査読論文]  鉄道軌道の維持管理のための組み合わせ保守手法に基づく効率化の提案と検証
  
松本 麻美 まつもと まみ:西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部施設部 施設技術室(開発)
三和 雅史 みわ まさし:公益財団法人鉄道総合技術研究所 軌道技術研究部軌道管理室長 

 列車の走行を支えている軌道では、道床や路盤の状態や列車の運転条件等により、レール凹凸や軌道変位が徐々に大きくなる。よって、有限な 保守費用や保守用機械を効率的に運用し、中長期的に適正な軌道状態を効率的に維持できる保守計画を作成することが必要になる。
 本論文では、効率的な軌道保守を実現するために、レール頭頂面の凹凸を削る「レール削正」と道床のつき固めにより軌道変位を整正する「軌道変位保守」を同時期に 行うことで、次の軌道変位保守までの時期を延伸する「組合わせ保守」計画の作成に基づく効率化の方法を提案し、その効果を検証する。また、組み合わせ保守 計画による効果が得られる条件を明確にした上で、効果を予測する手法を提示する。更に、本手法の有効性を検討するための実証分析を行うと共に、組み合わせ保守計画が 容易にに作成可能、そして実用化可能であることを示すことが、本論文の目的である。
[鉄道施設探訪記]  第14回 逢坂山トンネルを偲ぶ
  
小野田 滋:公益財団法人鉄道総合技術研究所情報管理部担当部長

 鉄道にまつわるさまざまな施設を紹介するシリーズである。多くの鉄道施設は見慣れた風景の中にとけこみながら、さりげなく存在している。このシリーズでは、そうした日常風景に埋もれた「逸品」にスポットをあて、その「真価」を紹介している。ここに登場する鉄道施設は、誰でもが知る鉄道施設ではなく、 むしろ知る人ぞ知るような物件ばかりだが、このシリーズによって黙々と鉄道輸送を支え続けてきた鉄道施設の存在を再認識していただければ幸いである。                  

 逢坂山トンネルは、掘削工法として日本で初めて山岳工法を用いて完成した鉄道トンネルである。 逢坂山トンネルの意義は、山岳工法の導入に加えて、ほとんど日本人のみの手で これを完成させたことにあった。
鉄道関係情報・6 
  
荻野 隆彦おぎの たかひこ:一般財団法人研友社

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[速 報] 鉄道統計(平成29年度) JR・関連機関 
  
  鉄道に関する基本数値(社別の線区数、駅数、運輸成績、社員数、損益計算書、貸借対照表等)を各種資料から集約した統計資料です。
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